きみへ

ぼくはいま29さいです。16ねんまえ、ぼくがちゅうがく1ねんせいのときに、おおきなじしんがおきました。ぼくはそのころ、ちばけんにすんでいて、あさのニュースでしりました。すごいことがおきたとおもいながらも、いつもどおりがっこうにむかいました。

いつもとなにかちがうなとおもったのは、ホームルームがはじまったときでした。せんせいはいまにもなきだしそうなめをしながら、しゅっけつかくにんをはじめました。せんせいはこわいせんせいだったので、とてもおどろきました。ともだちにせんせいのことをきいてみると、せんせいのふるさとはこうべというまちで、じしんのゆれがとてもおおきなところだということがわかりました。

せんせいは、おとうさんやおかあさん、そしてともだちのしんぱいをしながら、がっこうにきていました。せんせいは、おひるにがっこうをはやびきして、ふるさとにむけてしゅっぱつしました。そしてすうじつかん、がっこうをおやすみました。ぼくはこのあさのできごとで、じしんのことをすこしだけじぶんのことのようにかんじることができました。けれど、ぼくはなにもすることができませんでした。

16ねんまえのじしんでは、おとなたちやおにいさん、おねえさんたちが、ちからをあわせて、そのときにできることを、いっしょうけんめいにやっていました。ぼくはテレビをとおして、おとなたちのしていることをみていました。それから16ねんたって、ぼくはおとなになりました。ぼくはいまできることをしようとおもいます。ぼくがいまできることは、おこめとやさいをうることです。そしてもらったおかねをきふすることです。

どうか、きみへ。あのとき、ぼくはなにもできなかったけれど、すこしだけでもいいのでとうほく、かんとうのともだちのことをおもってください。すこしだけでもいいので、おとなたちやおにいさん、おねえさんのせなかをみてください。そしてなにかかんがえたら、おとなたちにはなしてみてください。きみひとりではできないことでも、おとなたちがいっしょにかんがえてくれることでしょう。いま、きみがかんがえることが、みらいのおおきなちからになるとしんじています。

りょうけんひでよ